・隣り合うビル間でネットワークを接続したいが、公道などを跨ぐ為、光ケーブル敷設が出来ない
・屋外にある監視カメラ向けにネットワークを拡張させたいが、監視カメラの為だけにWAN回線を準備したくない
・災害対策として、光回線のバックアップとして建物間でネットワークを利用したい
・イベント用の仮設回線としてイベント会場へネットワークを作りたい
こんな悩みを抱えている場合はAP387を利用したPoint-to-Pointでのネットワーク拡張が便利です。
下記のようなケースだと屋外用Point to Point専用APであるAruba AP387で解決が出来ます。
AP-387は、5GHz 802.11ac / 60GHz 802.11adに対応。
好条件では60GHz帯を利用してスループットを向上させ、悪条件では5GHzでインテリジェントフォールバックを行います。
環境が良ければ1ギガビット/秒を超える総スループットを実現可能で最大400メートル (1/4マイル) の距離をサポートします。
Aruba AP387は60GHz帯と5GHz帯の二つの帯域が利用可能で
60GHz帯で2.5 Gbps(理論値)、5GHz帯で867 Mbps(理論値)の高速なデータ・レートが利用可能です。
また、60GHz帯は、免許不要で干渉の少なく高速通信が可能な周波数帯です。
●注意すべきポイント
・各アクセスポイントをStandaloneでそれぞれ機器で設定が必要です
・APの設定を変更する場合はそれぞれのAPへ設定の投入が必要です
・AP387は、ブリッジ専用のAPとなっている為、クライアント用のSSIDを提供することが出来ません
・AP同士が接続するまでに起動後数分かかります
・60GHz帯は、障害物の影響を受けやすい為、見通しの良いところへ設置ください
・無線AP間のVLANはクライアントのVLANと分ける
設定手順は以下の通りです。
●設定手順
・STEP-1
APの起動を中断し、apbootで次のように入力します。
これにより、AP-387をスタンドアロンモードで実行し、
ファームウェアのコントローラーを探す必要がなくなります。
setenv standalone_mode 1
setenv uap_controller_less 1
・STEP-2
AP起動後、AP-387に次のコマンドを入力します。
カントリーコードを設定し、拡張SSIDをDisableにします。
virtual-controller-country JP3
name <AP-Name>
no extended-ssid
・STEP-3
クラスターレスメッシュ設定を構成します。
("configure terminal"モードへ入らなくてもOKです)
no mesh-disable
mesh-cluster-name <cluster-name>
mesh-cluster-key <cluster-key>
・STEP-4
Mesh Pointで以下の設定を行います。
イーサネットポートをTrustへ変更し、ブリッジングを有効にします。
("configure terminal"モード)
wired-port-profile default_wired_port_profile
trusted
no shutdown
type employee
(以下は"configure terminal"モードへ入らなくてもOKです)
enet0-bridging
commit apply
・STEP-5
確認方法は以下の通りです。
その他の確認コマンドは、以下の通りです。
show ap mesh cluster status
show ap mesh neighbour
なお、60GHz帯は、デフォルトで2chを利用します。(設定は1ch〜3chのいずれかで固定設定も可能です)
60GHz帯が利用出来ない状況になると60GHz帯→5GHz帯で自動的に切り替わり通信を継続します。
再度60GHz帯が利用可能になると、5GHz帯→60GHz帯への切り戻しが自動的に行われます。
実際にやってみると想像しているよりも設定は簡単です。
Point to Pointの要件がある場合は、是非利用してみてください!
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SATOSHI SUZUKI
Aruba Japan Presales Consultant
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