UCC(Unified Communication Client)の利用は、昨今のリモートワークの増加に伴い、増える一方です。
そんな中、UCCの音声通信には課題も多くあります。
この中で、一番の課題は、実際の通話品質が悪いときに、原因がどこにあるのかを見つける事が難しい点にあるかと思います。
ArubaのMobility Controller は、DPI(Deep Packet Inspection)に対応し、様々なトラフィックを可視化する機能を持っていて、
UCC(Unified Communication Client)の音声通信を識別し、その品質までを可視化する機能を持っています。
音声とWi-Fiの品質を同時に可視化 音声品質は
UCC Scoreとして表示します。
UCC ScoreはRTCP/RTPトラフィックフローのDelay/Jitter/Packet lossを元に算出し、
以下の指標でGood/Fair/Poorとして色分けして表示します。
- 71以上:Good
- 30 - 70:Fair
- 29以下:Poor
もちろん、Wi-Fiの品質(Client Health)もArubaは表示することができるので、以下のグラフの様にこれらを同時に表示することができます。
グラフの青丸が一つの音声通話のセッションになります。
音声品質、Wi-Fi品質の両方が高ければ右上に、音声品質が高くWi-Fi品質が悪いと左上に表示されるので、
一目である程度問題の切り分けができるようになっています。
UCC Score Wireless-only / Controllerさらに、音声通信のセッション毎に品質を確認すると、「Wireless-only」と「Controller」の2つのUCC Scoreを確認することができます。
※End-to-End というのもあるのですが、こちらは旧Skype for BusinessのAPI連携時の機能なので、今は使う事はありません。「Wireless-only」と「Controller」の違いは以下の図の通りになります。
どちらかのUCC Scoreが悪ければ、そこに問題がある可能性が高いとすぐに判断ができます。
どちらのScoreも高いのに、ユーザさんから音声品質が悪かったと問い合わせがあった場合は、
Controllerより先のネットワークのどこか(アップリンクの有線LAN、サーバ側、WAN、インターネットなど)に問題がある可能性が高いので、
そちらの調査が必要だということがわかります。
Wireless-only (Downstream UCC Score) だけになりますが、グラフで音声通信のUCC Scoreの割合(Good/Fair/Poor/Unknown)を一目で確認することもできます。ここから、UCC ScoreがFairやPoorのものだけ、詳細に確認していくこともできます。
AOS8.8からMS-Teamsに対応!AOS8.8から、UCCで最も多く利用されているアプリケーションの1つ、MicrosoftのTeamsも識別することができるようになっています。
プロトコル一覧で、どのプロトコルのUCCが多く利用されているかを確認することも可能ですし、
以下のように音声通信のリストで、MS-Teamsだけに絞ってUCC Scoreを確認することもできます。
設定はUCC Profileで設定することが可能です。デフォルトで有効になっているので、可視化だけであればMS-Teams用の特別な設定は不要です。
※UCC自体はFirewall DPIの設定を有効にする必要があります。音声・ビデオと識別できるので、それぞれのトラフィックに対してDSCP値をマーキングすることもできます。
ArubaのUCCでMS-Teamsも可視化して、もっと快適なWi-Fiを活用していきましょう!
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Keita Shimono,
Aruba Japan SE Manager & Airheads Leader
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