1.ネットワーク仮想化機能 VSF VSX
Aruba CXシリーズのSwitchではVSFやVSXを利用する事でネットワークの冗長機能として複数の筐体に跨いでLink Aggregationを組む事が可能となりL2/L3のネットワーク冗長機能を容易に提供する事が可能です。CXシリーズではCX6200/6300シリーズではVSFに、CX6400より上位のシリーズではVSXに対応します。
VSF:Virtual Switching Framework
VSX:Virtual Switching Extension
このCXシリーズが保有する機能であるVSF,VSXは従来よりあったレガシー的な冗長機能であるVRRP(メーカ独自実装パターンも有)+STPを利用した基本的にActive/Standby構成になりがちだったネットワーク冗長機能よりもActive/Activeであり、かつ障害復旧スピードも早い冗長を取る事が可能です。
VSFやVSX機能に合わせて、古くからあるLink Aggregation(以下LAG)機能を併用する事でSwitch筐体を跨いだLAGを形成する事が可能となり、Active/Active構成かつL2/L3(設定による)の冗長を容易に提供でき、多くの障害ケースにおいてもLAGの切り替わり速度でのネットワークの復旧や継続が可能となります。
ここではそのネットワーク仮想化の機能であるVSFとVSXの特徴について触れていきたいと思います。
2.Shared control planeとSplit control plane
世にあるネットワークの仮想化の機能はVSF,VSX以外にも他メーカも含めて上記2つに区分が出来ます。
Shared control planeは1つのControl Planeつまり「一つの脳」をみんなでシェア(共有)して利用する事で複数台あるSwitchを1台のシャーシSwitchのように見せかける手法でVSFが該当します。
対してSplit Control PlaneはControl Planeを独立性は維持、各Switchの「脳」はそのまま独立しているが、Multi-Chassis Link-Aggregation(以下MLAG)とL3の仮想IPゲートウェイ部分については情報を共有する手法となりVSXが該当します。
3.VSFとVSXの違いと推奨する適応箇所
以下に各項目毎にVSF/VSXの相違点と推奨適応箇所について記載します。
4.まとめ
VSFとVSXの違いについてのご紹介でした。
VSFでは運用管理に優れ効率的な利用が可能でキャンパスLANのエッジからアグリゲートの多数のSwitchが存在しかつ冗長性を確保したいケースに有用性を発揮します。
VSXは対障害性や信頼性、利用できるH/Wリソースに優位性があり、L3での運用が多くなるアグリゲートやコアSwitchでの運用管理よりも信頼性を高めたい箇所で有用性が高まります。
このような情報を理解頂きそれぞれの特徴に応じてCXシリーズの機器選定や適応する仮想化機能を選定頂ければ幸いです。
■参考
ARUBA CX スイッチ 基本操作ガイド V3.0
https://www.arubanetworks.com/assets/_ja/tg/TG_CX_Switch_Basic_Operation_Guide.pdf