HPE SmartRateはArubaで扱っている無線LAN環境を提供する無線Access Point(AP)を収容する有線Switchにおいて、無線LAN規格が進化(IEEE 802.11ac以降)してくる事で必要とされるAPとSwitchの接続リンク帯域が1Gbpsでは帯域が足りなくなる事が想定されました。この規格ではその問題に対応すべく1000BASE-Tで利用されるツイストペアケーブルをそのまま利用しつつ2.5Gや5G BASE-Tの広帯域で動作させ、SwitchとAPを交換すれば無線LANの新規格に対応しつつ、APとSwitch間は1Gbps以上の広帯域接続を可能とする事を目的とした機能です。
2014年 :
- NBASE-T Alliance設立, 2.5/5GBASE-Tを策定
2015年:
- HP Smart Rate (NBASE-TベースのMulti Gigabitテクノロジー)発表
- Smart Rate対応スイッチ "HP 5400R" 発表(Interop Tokyo 2015出展しAward受賞)
2016年:
- IEEE 802.3bz標準化、Smart Rateも802.3bz準拠となる
- HPE Aruba Smart Rate対応802.11ac Wave2 AP "Aruba AP-330シリーズ" 発表
2018年
- HPE Aruba Smart Rate対応802.11ax AP "Aruba AP-510シリーズ" 発表
2019年
- HPE Aurba Smart Rate (802.3bt Class6 PoE対応)スイッチを "Aruba 2930Mシリーズ" に追加
■HPE SmartRateについて
HPE SmartRateは一般規格であるIEEE 802.3bzにて標準化されたMulti-gigabit Ethernetに準拠した機能名となります。
この理由からこの規格に対応した自社製品はもちろんですが、他社のMulti-gigabit Ethernetに対応した製品ともこの機能を利用した上で接続が可能です。
この規格では2.5G/5G BASE-Tとしてリンクし動作する事を定めた規格となっており、その速度でリンク出来るSwitchはSmartRate対応Switchとなります。
注意点としてこの機能は1/10G BASE-T Port(RJ45のツイストペアケーブル接続)のPortで提供される事が多く、10G BASE-Tとして利用可能なSwitchは100M/1G/2.5G/5G/10G BASE-Tとしてリンクが可能なタイプと、5G BASE-T までに対応したSwitchで100M/1G/2.5G/5G BASE-Tに対応する2種類があるので必要なリンク速度を考慮しての選定をお願い致します。
我々Arubaの製品カタログ(本記事の下部リンク参照)では機能表に以下のような項目があり、そこに保有できる最大保有可能Port数とPoE給電に対応するのであればそのPoE対応Classを確認する事が出来るようになっています。

■HPE SmartRateに対応しない製品でも接続は可能
HPE SmartRate (IEEE 802.3bz) は2.5G/5G BASE-Tの動作を定めた規格です。2.5G/5G BASE-Tで利用する場合にはHPE SmartRateに対応する必要がありますが、100BASE-TXや1000BASE-T、10GBASE-Tは従来からある規格の動作になり、SmartRateに対応しない他製品が100BASE-TX、1000BASE-T、10GBASE-Tで接続してくる場合には当然ですが同規格に対応製品であれば他社製品であっても記載ある速度での接続が問題無く可能であるとお考え下さい。
例:40台のAPをPoEに対応したSmartRate(5G BASE-T) Portで終端しつつ、空きSmartRate Port(10GBASE-T対応)で、10GBASE-TのNICを持つServer 2台も10G BASE-T接続で1台のSwitchで全て収容したい場合
上記要件対応可能Switch : HPE Aruba Networking CX 6300M 48 Smart Rate 1/2.5/5/10G Class8 PoE 4QSFP28 Switch (S0E91A)
■利用ツイストペアケーブルについて
1000BASE-Tや100BASE-TXではCat5e以上での利用が現在では一般的となりますが、SmartRateの2.5G/5G(※) BASE-TまではCat5e以上にケーブルを利用していれば規格通り100mまでの接続が可能です。
※5G BASE-TではCat5eでもノイズが少ないシールドツイストペアを利用しているかCat6以上のケーブルを利用する事が必要。10G BASE-TはCat6a以上のツイストペアケーブルの利用が必要です。
■HPE ArubaのSmartRate対応 Switchについて
Arubaの有線Switch製品で『HPE SmartRate』に対応したPortを持つSwitchとして2025年現在、以下のようなSwitchシリーズをリリースしております。
- シャーシ型
- Aruba CX 6400シリーズ(対応Moduleにて)
- Aruba CX 5420シリーズ(対応Moduleにて)
- BOX型(non PoE型)
- Aruba CX 8360シリーズ
- Aruba CX 8100シリーズ
- BOX型(Class6 or 8 PoE対応型)
- Aruba CX 6300Mシリーズ(Class6 or 8対応Switch有)
- Aruba CX 6300Lシリーズ(Class6 or 8対応Switch有)
- Aruba CX 6200Mシリーズ(Class 6)
- Aruba 2930Mシリーズ(Class 6)
※PoE Class 6 = 1Portあたり最大60W
PoE Class 8 = 1Portあたり最大90W
詳細は以下製品カタログの機能表を参照願います。
■HPE Aruba Networking製品カタログ2025
HPE Aruba Networking製品カタログ2025年Vol.1
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