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Tips : 802.1X認証後、MTUが小さくなってしまう?

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  • 1.  Tips : 802.1X認証後、MTUが小さくなってしまう?

    Posted Feb 16, 2025 07:30 PM

    最近、同じ問い合わせを複数受けたので少し調べてみました。

    最近のFreeRADIUSは、802.1X認証時のRADIUS Accept に Framed-MTUを意図せず含むことがあるようです。
    このFramed-MTU値が小さいため、通信が遅くなったり、同一ポートで複数端末が認証しているようなケースで2台目以降が認証に失敗してしまいます。
    手元の環境で確認した限り、FreeRADIUS 3.0.20 ではこのような事象は発生せず、FreeRADIUS 3.2.7 で発生するようになっていました。

    確認してみると FreeRADIUS側の以下の設定による影響だとわかりました。
    ※設定箇所はLinux環境によって異なるかもしれません。以下は、Ubuntu、FreeRADIUS 3.2.7はソースインストールした環境です。

    /usr/local/etc/raddb/sites-enabled/default
    (省略)
            update{
                    &reply: += &session-state:
                    }
    (省略)


    上記設定が加えられている結果、session-state に EAPトンネル内 で計算・取得された属性が入り、
    update { &reply += &session-state: } で、その属性(Framed-MTUなど)が自動的にレスポンスへ付与されてしまいます。
    その結果「3.2 にアップグレード後、勝手に Framed-MTU がレスポンスに含まれる」 と思われます。
    自動的に設定されるFramed-MTUの値は環境によって異なるため、994, 1004, 1014 bytes などいくつかのケースが確認できています。
    EAPに関連しているため、MAC認証(PAP/CHAP)では発生しません。

    また、FreeRADIUS以外にも、アプライアンスの認証サーバでも似たような事象が発生することもあるそうで、
    アプライアンスの場合は、原因、回避策などはメーカ側に問い合わせてみるようにして下さい。

    回避策

    具体的なFreeRADIUS側の設定方法は、FreeRADIUSの設計、構築ベンダ様に確認いただくべきかと思いますが、
    単純に上記の設定3行を削除するだけで、自動的にFramed-MTUが返ってくることは無くなることが確認できています。
    もしくは、意図的に1500 byteなど高い値をRADIUS Attributeに設定しても回避することが可能です。

    Aruba CX Switch での確認方法

    RADIUS AttributeのFramed-MTUによりMTU値が設定されてしまっているかどうかは、認証後のクライアント情報を確認するとすぐにわかります。

    6000# show port-access clients detail | begin Attributes
        RADIUS Attributes
        ------------------
        User-Name                    : test-user
        Framed-MTU                   : 994 bytes



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    Keita Shimono,
    Aruba Japan SE Manager & Airheads Leader
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