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HPE Aruba Networking のソリューション、ネットワークマーケットに関する日本語ディスカッションフォーラム

競合のソリューション比較について "無線ネットワークの本当に重要な機能" その2

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  • 1.  競合のソリューション比較について "無線ネットワークの本当に重要な機能" その2

    EMPLOYEE
    Posted Nov 26, 2023 07:30 PM

    幸いにもまだまだWi-Fi、ネットワークのニーズは高く、Aruba もその中で評価を頂いています。
    その結果、Juniper Mist 、Cisco Meraki 等との競合比較がいくつかのサイトで行われていますが、残念ながらその中には、7年以上前の古い情報を使っていたり、そもそも間違った情報が伝わってしまっているようです。
    さすがに Aruba の間違った情報が広まってしまうのは見過ごせないので、Aruba Centralに関しての部分は、最新の正しい情報を提供していきたいと思います。

    前回に続き、Arubaから見た「無線ネットワークの本当に重要な機能」をもう少し書いてみようと思います。


    4. WirelessのQoS関連機能

    WirelessのQoSに関しては、IEEE802.11eを元にしたWMM (Wi-Fi Multimedia) をWi-Fi Allianceが定めているので、WMMにAPが対応しているかどうかがまずは重要です。
    ほとんどのエンタープライズクラスのAPはWMMには対応しているので、最低限のQoSは行ってくれます。
    そもそもWMMの仕組みは以下のように4つのAccess Category (AC) にトラフィックを分類し、AC毎に無線フレームの送信機会を変えることでQoSを行っています。

    WMM の Access Category 

    ・フレームの優先度によって 4 つの Access Category(AC) に分類
    ・ランダムバックオフを行う際、AC ごとに異なるパラメータ(AIFS, CWmin, CWmax)を使用することで、
     フレーム送信の contention(競合)が発生した場合、優先度の高い AC に属するフレームがより高い確率で送信機会を得る
    ・AP は AC ごとに別々の送信キューを使用
    WMMによるQoS(優先制御)

    WMMではACを決めるのに、L2 802.1pのCOS値を使います。
    その結果、既存の有線LANや端末の設定によっては、DSCP値のミスマッチが発生してしまう場合があります。
    WMM Mapping Problem
    上記の例では、端末の音声アプリがDSCP46で送信したパケットが無線LANを介してAC=VIになり、APから上位に出るパケットのDSCP値がAC=VI=40に変わってしまっています。こいうった問題を防ぐため、ArubaはWMMとDSCP値のMappingを設定で変更できるようになっています。
    ベンダーによっては設定変更ができない場合もあるようなので、既存環境に合わせたWi-Fiを導入したい場合は確認すべきポイントだと思います。

    5. 高密度環境向けのWi-Fi設定
    1台のAPに40-60台以上の端末が繋がる環境を高密度環境(High Density)と呼んでいます。
    Arubaはいち早くこの高密度Wi-Fiへの対応に取り組み、詳細なドキュメントをこちらで提供しています。
    全てを読むと数百ページあるのであくまで参考ですが、それだけのデータ、経験を製品に反映させているので、
    今では、設定で特別なものはほとんどありません。
    いくつかチューニングした方が良い点は、こちらのTipsにまとめていますので、こちらを参考にしてみてください。

    6. マルチキャストの最適化
    マルチキャストの最適化機能としてマルチキャストをユニキャストに変換する機能は、多くの無線LANベンダーがサポートしていると思います。
    そもそもなぜマルチキャストをユニキャストに変換する必要があるのか、その理由は無線LANのマルチキャストの仕組みに課題があるからです。
    無線LANのマルチキャストはブロードキャストとほぼ同義で、(受信者だけに届く電波を送信することはできないので)
    全ての端末に届くように無線フレームを送信する必要があります。
    つまり、APから離れた端末や電波環境が良くない端末にも届けるために、低い送信レートを使います。
    その結果、AirTimeを多く消費してしまい、無線の利用効率を下げてしまいます。

    さらに、複数のAPから同時に送信されるため、AP間の干渉が起きるケースもあります。
    通常、隣接APは別のチャネルなので問題ないですが、低レートで送信するため、
    少し離れたAPまで届く場合もあるので、同一チャネルで干渉する可能性も少なからず出てきます。

    上記の問題を避けるために、マルチキャストをユニキャストに変換して、高い送信レートでそれぞれの端末にフレームを届ける機能があります。
    Arubaももちろんこの機能をサポートしています。(Dynamic Multicast Optimization = DMOと呼んでいます)
    でも、よく考えると、このユニキャスト変換が必ずしも良いとは限りません。
    仮に、端末が100台いて、100台全てがマルチキャストの受信者であれば、マルチキャストのまま送ってしまった方がいいかもしれません。
    そこでArubaはDMOに加えてMulticast Transmission Optimizationをサポートしています。
    Multicast Transmission Optimizationは、APにアソシエーションしている端末の中で最も低いレートの端末に送信レートを合わせてマルチキャストフレームを送信する機能です。(最大で24 Mbps)その結果、無駄に低レートの6 Mbpsで送信することはありません。
    DMOを有効にする場合、閾値としてChannel Utilization と クライアント数を設定するので、その閾値を超えた時にDMOが無効になり Multicast Transmission Optimizationが有効になります。
    単純なマルチキャスト/ユニキャスト変換機能を使って実は無線の利用効率が悪くなっていないか再確認してみましょう。

    7. Wi-Fi CERTIFIED™ 
    当たり前ですが、無線LAN製品はWi-Fi Alliance の認定を取得している方が安心して利用することができます。
    Arubaは全ての製品でかなり早い段階で認定を取得しています。
    大手の無線LANベンダーでも、この認定を取得していない製品は意外とあります。
    認定を取得していないと必ず問題が発生するわけではありませんが、無線LANの相互接続を含めた安定性に投資し、前向きに取り組んでいれば、必然的にWi-Fiの認定は取得すべきだと思います。
    これは端末側にも言えることなので、端末を選択する時も一度気にかけてみてください。
    Wi-Fi 認定はこちらのWi-Fi Allianceのページで確認できます。Arubaも今は "Hewlett Packard Enterprise" なので、Brandで検索するときはご注意下さい。

    前回、今回で記載したArubaから見た「無線ネットワークの本当に重要な機能」と、
    他社が言っている「無線ネットワークの重要な機能」、
    中身もそうですが、そもそも項目として本当に無線LANネットワークに重要な機能はどちらでしょうか。
    どちらもベンダー目線なので、どちらも偏りがあると思います。
    その偏りがある項目だけを比較して⚪︎×をつけても、有益な情報は得られないことはお分かりいただけたのではないでしょうか。

    他のトピックに対しても、間違った情報については地道に訂正していこうと思います。


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    Keita Shimono,
    Aruba Japan SE Manager & Airheads Leader
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