2022年にWiFi6E、2023年12月にWiFi7が認可され、今後ますますWiFiの通信が高速化されていきますが、
無線アクセスポイントのUplinkポートにかかるトラフィック量は増大していくため、
1Giga以上の帯域を持つポート(2.5Gbpsや5GbpsなどのSmartRateやMultiGigabitポート)を搭載することや
Uplinkポートを冗長化して構成することが重要になってきています。
そこで、今回はWiFi6E対応の無線アクセスポイントであるAP655とAP635をIAPで利用する際において、
Uplinkをデュアルポートで接続した時の構成について解説していきたいと思います。
以下、PoEスイッチにはAruba CX6300Mを利用しています。
WiFi6E対応の無線アクセスポイントであるAP6xxシリーズは、以下の通りLANポートを搭載しております。
![](https://higherlogicdownload.s3.amazonaws.com/HPE/MessageImages/db47e484a3bd42a3b4c8cf7c9fd31eff.png)
AP655とAP635は、5Gbps、2.5Gbpsのポートをそれぞれ2ポートずつ搭載しており、
LANポートを冗長構成とすることが可能です。
◾︎SmartPoE・・・両方のイーサネット・ポートにPoE電力が供給されている場合、APは2つのポートの電力を組み合わせることが可能
◾︎Hitless Failover・・・両方のイーサネット・ポートにPoE電力が供給されている場合、APは主に片方ポートから電力を受電しAPを稼働
AP635はAP655 のようにPoE電力を組み合わせられる「SmartPoE」には対応していない
AP655はSmartPoE、AP635はHitless failoverに対応し、それぞれ異なる仕組みでLANポートの冗長が動作します。
イメージとしては、APの電力の観点でSmartPoEはActive-Activeで動作し、HitlessFailoverはActive-Standbyで動作します。
また、すべての顧客が802.3bt対応のスイッチを社内に持っているとは限らないことを考慮し、
SmartPoEでは両方のイーサネットポートからの電力を組み合わせることができます。
そのため、基本的に2つの802.3at PoEを使用して1つの802.3bt電源を作ることができますし、
2つのイーサネットリンクを備えたこれらのAPは、冗長性も確保が出来ます。
次に、AP655とAP635それぞれの主な接続構成とIPM Disable時の注意点は以下の通りです。
IPMがDisable設定となる場合は、APのEtherポートが片方無効になったり、USBポートが無効となったりしますので、注意が必要です。
※IPMとは・・・実際の電力消費をAPが継続的に監視、レポートし、自律的判断によって予め定義された順番で機能を無効化し、
電力不足になってもAPを稼働させ続けることが出来ます。
![](https://higherlogicdownload.s3.amazonaws.com/HPE/MessageImages/88c78887bafe458cbc797c1981c043f9.png)
![](https://higherlogicdownload.s3.amazonaws.com/HPE/MessageImages/532d10e240d143ae8685ca2523208fd1.png)
![](https://higherlogicdownload.s3.amazonaws.com/HPE/MessageImages/f535f235033e45908e93436903ca4e4f.png)
![](https://higherlogicdownload.s3.amazonaws.com/HPE/MessageImages/ff7d0e672f0b4ab1881d1c7e059e8cb9.png)
![](https://higherlogicdownload.s3.amazonaws.com/HPE/MessageImages/d7a30881d0264f22840b625e439d2a8f.png)
【スイッチでの確認方法】
スイッチのPoEステータスは、show power-over-ethernet briefコマンドで確認が可能です。
AP655はSmartPoEが動作している為、Active-Activeで2つのポートの電力を集約し、
AP635はHitless Failoverが動作している為、Active-Standbyのイメージで電力を供給していることが分かるかと思います。
![](https://higherlogicdownload.s3.amazonaws.com/HPE/MessageImages/c6ba1557e1bf41ffa27fa3b5ab7c3c37.png)
APのE0がダウンした時は、以下のようにそれぞれ電力供給がFailoverします。
障害発生時の切り替わりは、どちらの方式もほとんど通信断なく行われ、APの再起動は発生しません。
素晴らしいですね!!!
![](https://higherlogicdownload.s3.amazonaws.com/HPE/MessageImages/716c7e03de5747d6a991f0816ae5747d.png)
【APでの確認方法】
・show ap debug system-status
![](https://higherlogicdownload.s3.amazonaws.com/HPE/MessageImages/b9014f7b17344c3181c4735a4deab334.png)
AP635の方は、PoE Modeの表示があり、Failoverと表示されており、Hitless Failoverで動作していることが分かります。
その他、詳細については、以下のデータシートや弊社ホームページを参照頂けますようお願い致します。
◾️データシート
AP655 : https://www.arubanetworks.com/assets/ds/DS_AP650Series.pdf
AP635 : https://www.arubanetworks.com/assets/ds/DS_AP630Series.pdf
◾️ホームページ
AP655 : https://www.arubanetworks.com/ja/products/wireless/access-points/indoor-access-points/650-series/
AP635 : https://www.arubanetworks.com/ja/products/wireless/access-points/indoor-access-points/630-series/
コントローラの場合は、電力のモードをもう少し細かくチューニング出来たりもしますので、
興味がございましたら、是非、合わせて確認してみてください。
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Satoshi
Aruba Japan プリセールスコンサルタント
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